
シウォンさんは心底キュヒョンを愛しているように見える。
だからキュヒョンのためを思って、キュヒョンを喜ばせようと一生懸命考えて行動してきたはずだ。
だけど、シウォンさんが思うキュヒョンのしあわせと、実際のキュヒョンのしあわせには多少のズレがあったようだ。
でもキュヒョンはたぶん、シウォンさんは自分のことを思ってしてくれてることだから喜ばないといけないと思い込んでいたんだろう。
それはもちろんキュヒョンもシウォンさんを愛しているからで。
どちらも悪くはないんだけど、相手のことを思ってはいても思いやりが足りなかったってことだろうか。
たぶんキュヒョンは自分がガマンしてるなんて思ってなかったんだろう。
これといって不満はない、なんて言ってたし。
だけど、自分の好みとは違う物に囲まれて、居心地の悪さをごまかして過ごすうちにストレスが溜まっていたんじゃないだろうか。
シウォンさんはキュヒョンをしあわせにしたいと思ってるんだろうけど、何がしあわせかは人によって違う。
シウォンさんが思うキュヒョンのしあわせと、キュヒョンが思うしあわせが同じとは限らないんだ。
そこまで考えてふと、自分たちはどうだろうと考えた。
ぼくはユノさんと会って、自分のライフスタイルを変えた。
いまではすっかりなじんでしまって、元の生活に戻りたいとは思わない。
ユノさんも少しずつ、自分のやり方を変えてくれた。
例えばユノさんはお風呂場で歯を磨く人だったけど、いまは洗面台の前で磨いてくれている。
歯磨きのチューブも後ろから押して出すようになったし、汚れた洗面台は水をかけて流すようになった。
忘れ物を取りに靴を履いたまま床に上がらなくなったし、忘れ物そのものも少なくなった。
ぼくの目にはユノさんがムリしているようには見えないけど。
「ねえユノ、ユノは何かストレスを感じてる?」
「ストレス?うーん、、、、いや、何も思いつかないな。」
「そう、それはよかった。」
「でもチャンミン、なんでそんなこと訊いたんだ?」
「それはナイショ。」
「え~、何だよ教えてくれよ。」
「教えない~」
追いかけてくるユノさんから逃げたけど、あっという間につかまって抱きしめられてキスされた。
うん、やっぱりぼくもストレスは思いつかない。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ランキングに参加しています。
にほんブログ村
- 関連記事
-
スポンサーサイト