失った愛を求めて
- 2015/04/05
- 12:00
東方神起ライブツアー2015『WITH』が終わってしまい、ユノさんが昨日、チャンミンさんも今日、帰国されました。お決まりの「ユノさんロスト症候群」実を言うと、京セラ5daysが終わった時点ですでにかかっていたんですが・・・なんとかどん底に落ちないように踏ん張ってます。そこで、というのも変なのですが、新しいお話を始めます。心がユノさんを求めてて、次々お話が湧いてくるんです。『妄想日記』が長すぎて飽きてこないかな...
失った愛を求めて2
- 2015/04/12
- 12:00
目覚めたばかりのベッドの上で、まだ覚めてない頭を起こすために咥えたタバコに火をつけた。遮光カーテンの僅かな隙間から、細い線を描いて床に差し込んでいる日差しを遮るように白い煙が拡がっていく。玄関のドアがガチャリと開く音に続いて、パタパタとスリッパの音を響かせて相棒が姿を見せた。「おはようございます、ヒョン。」「おはよう、チャンミナ。悪いな、いつも後始末させて。」「いえ、ぼくはヒョンのヘルプですから当...
失った愛を求めて3
- 2015/04/19
- 12:00
商売道具のカラダを、と言っても売ってるわけじゃないけど、鏡に映して弛みがないかチェックしてから隅々まで磨いて、棚の上に置かれたバスタオルで拭いてそのままガウンを羽織った。髪をガシガシ拭きながら外に出たら、チャンミンはもうダンボール箱の蓋を閉めている。「なんだ、もうできたのか?」「はい。今来てくれてるハウスキーパーさん、なかなかできる人みたいですね。ブランドごとに吊るしてくれてるから楽でした。」「そ...
失った愛を求めて4
- 2015/04/26
- 12:00
まだ早かったけど、店の車で来ていたチャンミンについでに乗せてきてもらった。「おはようございます。」店の奥にある事務室に入って行ったら、めずらしく顧問弁護士のボアがいる。「あれ?ずいぶん早いお出ましなんだな、BoA先生。」いつもなら裁判所に訴えるまではボアの出番はないはずだ。「うん、ここだけじゃないからね。」「ん?」「ホテルやあそこに入ってるショップもだとよ。」イトゥク店長が苦々しげに吐き捨てた。「そ...
失った愛を求めて5
- 2015/05/03
- 12:00
おれの一番最初の記憶は、母さんの泣き声。3歳?4歳?もしかしたらもっと幼かったかもしれない。眠っていたおれが母さんの泣き声で目を覚まして見たのは、父さん(後で父親じゃないと聞かされた)の下敷きになって苦しんでる母さんだった。その時のおれには、母さんが父さんにイジメられてるとしか思えなくて、かわいそうでいっしょに声をあげて泣いた。そしたら、オトコが怒って「黙らせろ!」って怒鳴って、すぐに泣き止んでおれ...
失った愛を求めて6
- 2015/05/10
- 12:00
そんな暮らしがイヤで、中学を出たら家も故郷も捨てるつもりでいたけど、小学校の5年だったか母さんにパトロンがついた。おれはその人に会ったことがない。おれが留守の間に来てたのか、外で会ってたのかはわからないけど、とにかく母さんとおれが慎ましく暮らしていくだけの金はくれたから、母さんが昼間から酒びたりになることも無くなり、「産まなきゃよかった」と罵られることも無くなった。ところが、何を思ったのかそのパト...
失った愛を求めて7
- 2015/05/17
- 12:00
バアさんことユン・ヨジョンオーナーは、不動産屋をやってた旦那が若くして亡くなった後、女手ひとつでひとり息子を育てながら引き継いだ会社を大きくした。今じゃ、マンションやらホテルやらいっぱい持ってる資産家で、ホストクラブはあくまで道楽でやってるだけだ。そのバアさんがどういうわけかおれを気に入ってくれて、済州島にマンションとホテルを建てて息子一家がそこに引っ越すことになった時、それまで家族でいっしょに住...
失った愛を求めて8
- 2015/05/24
- 12:00
おれたちは休みがない。店は水曜が定休日だけど、『喧騒』の連中はショータイムの練習があるし、足が遠のいてる客に手紙を書いたりメールを送ったりっていう営業活動もしなきゃならない。『静寂』の客は年齢層が高いから、お見舞い、なんてのもある。No.1だからってその座に胡坐をかいてちゃすぐに追い落とされるから、地道な努力を惜しんじゃいけない。店の奥の事務所で、お世辞にも上手とは言えない字で手紙を書きながら、ふと思...
失った愛を求めて9
- 2015/05/31
- 12:00
「うーーーーーん・・・」気がつけば、裸でベッドにうつ伏せで寝ていた。「いてぇ・・・」頭が割れそうに痛んで、起き上がれない。久しぶりに店の仲間たちと飲みに行ったことと、今日が休みだからってハメをはずしすぎたな。どうやって帰ってきたのかも覚えていない。のどの渇きがあまりに酷く、サイドテーブルの上を手で探って、毎晩アジュンマが置いてくれてある水のペットボトルを掴んだ。生ぬるい水をのどに流し込み、もう一度...
失った愛を求めて10
- 2015/06/07
- 12:00
シャワーを浴びて腰にバスタオルを巻き、濡れた髪をタオルでガシガシ拭きながらバスルームから出ようとして、ふとチャンミンが言っていたことを思い出し、足の裏を拭いてから床に足を下ろした。キッチンから物音が聞こえて、おれの部屋でチャンミン以外がいるなんて初めてだなと思ったら、なぜか口元が緩んだ。クローゼットから下着を出して穿き、同じ引き出しにあった前にいつ着たのか思い出せないTシャツとスウェットを身につけ...