こんばんは
- 2016/07/01
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7月になりました。今年の梅雨はメリハリがあるそうですが、ときどきバケツの水をぶちまけたような土砂降りがあって、土砂災害が起こりやすくなっているようなので、くれぐれもお気をつけください。チャンミンさんが「結婚は本当にしたくないけど、しないと家がなくなってしまうからする」というようなことをおっしゃったそうですね。前後のつながりとか何もわからないのですが、バラエティーではなく公務の席でおっしゃったってこ...
心の声に耳をすませて 217
- 2016/07/01
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「僕たちは、疲れたり弱ったりして集中力が途切れると思念の流入を阻止できなくなります。性行為に没頭すれば当然無防備になる。その状態で物理的な接触を長時間続けるわけですから相手の思念がどんどん流れ込んできて、脳がオーバーヒートして廃人になるのを防ぐために回路がショートするのだと考えられてきました。」なるほど、繋がるかどうかは関係ないわけか。「そこで僕は仮説を立てたんです。没頭しなければどうなるか。」「...
心の声に耳をすませて 218
- 2016/07/02
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「お父さん!?」「わしのおじいさまが言ったんだ、わしが男を好きになったと告白したときに。」え?「この能力を手に入れた初めての男は、与えてくれた鬼神と取り引きしたんだそうだ。自分一代で終わりにする、子孫は作らない、と。ところが、能力を使ってひと財産こしらえた男は、惜しくなって子どもを作ってしまった。だから怒った鬼神に呪われた、と。」「そんな!呪いでゲイになるなんて言ったら、失礼だよ。」「そうだな、わ...
心の声に耳をすませて 219
- 2016/07/03
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おじいちゃんは、疲れたと言って早々に寝室に引き上げた。書斎の、いつもおじいちゃんが座っている大きな机の前の椅子に父さんが座り、ぼくは反対側の、いつも父さんが座っている椅子に腰かける。この椅子に座るのはいつぶりだろう?中学生になってすぐ、シム家の歴史の講義を受けたとき以来だろうか。向かい合って座った父さんは疲れてるようで、この数時間でずいぶん年老いたような気さえした。「父さん、」「おまえは違うと思っ...
心の声に耳をすませて 220
- 2016/07/04
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「無事兵役を終えて、父さんといっしょに入隊した人たちは全員がウチの会社に就職した。それを条件に集められていたからね。父さんはおじいさんに、彼を自分と同じ部署に配属してほしいと頼んだよ。おじいさんは何も言わずに望みをかなえてくれた。」おじいちゃん、父さんの気持ちに気づいてたのかな。「半年ほど経って、仕事にも慣れてきたころ、彼に彼女ができたんだ。」え?「父さん、その人に好きだって言わなかったの?それよ...
心の声に耳をすませて 221
- 2016/07/05
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父さんは意味がわかったのか、照れくさそうな困ったような顔をした。「あー、どうだったかなあ。遠い昔のことだ、もう忘れたよ。ただ、ずっとそばにいたいと思った。自分だけを見ていてほしいと思った。他の誰かのモノになるなんて耐えられなかった。」父さんも、情熱的な恋をしたんだね。「ぼくは、触れたいと思いました。それまで、他人の体には極力触れないようにしてきたのに、イヤだとさえ思っていたのに、あの人には触れたい...
心の声に耳をすませて 222
- 2016/07/06
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「チャンミナ、おじいさん大丈夫か?」さっきまで舞い上がっていた気持ちが、ユノさんの声を聞いたとたん、一気にしぼむ。「う、うん。お見舞いのお客さんがきてくれて話し込んでたから疲れたみたいだけど、大丈夫だよ。ありがとう。」父さんと話したこと、何て言えばいいんだろう。能力のことは話せないからジェウォンさんの話はできないし、ユノさんと相談もしないで勝手に父さんに話してしまったことを、ユノさんはどう思うだろ...
心の声に耳をすませて 223
- 2016/07/07
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クリスマス当日、閉店後にディスプレーを変更する。今度はソルラルに向けて、ぼくたちが担当する紳士服フロアにも韓服コーナーを作るんだ。婦人服フロアには韓服専門店が入っていて、男性用も少しはあるけど、ほとんどはチマチョゴリだから。あれからユノさんは、ミノくんといっしょにヨーロッパ出張に出かけていて、何度かメールのやり取りをしただけで会えずにいた。予定では明日帰国するはずだけど、あいにくぼくが仕事だから迎...
心の声に耳をすませて 224
- 2016/07/08
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「ただいま。」「おかえり。ってどうして?」「アンリからディスプレー用の新作、預かってきたんだ。日本は年末年始の休暇があるから、それ用にだって。」アンリさんのお店は、国内はもちろん、アジアでも初出店だから、日本や中国からもお客さんが来てくれてて、少し多めに品物を入れておいてくれるように頼んだんだけど、新作まで用意してくれたんだ。「ありがとう、そのために帰ってきてくれたの?」「どうせなら、他の店といっ...
心の声に耳をすませて 225
- 2016/07/09
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駐車場でぼくの車に乗り込んでシートベルトを締めようとしたぼくの手を、ユノさんが掴んで止めた。「ん?」「チャンミナ、ちょっとだけ抱きしめさせて。」「どうかした?」「いいから、ちょっとだけ。」誰かに見られるかもしれないけど、、ハグぐらいなら問題ないよね?まだシートベルトのフックを持ってたのを離して元に戻し、助手席のほうに体を向けると同時に、待ちかねたように、いつもながらのたくましい腕が2本ぼくの体に絡...