ご挨拶
- 2017/08/01
- 00:15
8月になりました!猛烈に暑かったり、猛烈に雨が降ったり、みなさまがお住いの地域は被害を被っていないでしょうか?もし被害に遭われているなら、私ごときにこれと言ってできることはありませんが、これ以上酷い状況に陥らないように、一日も早く元の日常を取り戻せますことをお祈りしております。さて、先日はSMTに参戦してまいりました。16日の京セラと27日の東京ドームです。大阪では愛する友だちと会い、ブログでは絡んでい...
巻かなかった世界 29
- 2017/08/01
- 23:00
みなさま、いつもお越しいただきありがとうございます!総拍手数50000のキリ番を踏んでくださった方がコメントでお知らせくださいました!!ありがとうございました♡_________________ぼくに向きなおったユノが、話を合わせてって目配せしてくる。「えーっと、テミンくん、だっけ?ごめんね、キミがユノにくれた服、ぼくが着ちゃって。けど、酷いよユノ。元カレにもらった服、ぼくに着せるなんて。」「元カレじゃ...
巻かなかった世界 30
- 2017/08/02
- 23:00
「悪かったな、変なことに巻き込んじまって。」「いえ。居候だから、役に立てたならよかったです。」本当に役に立ったのかどうかはわからないけれど。「居候なんかじゃないさ、こんな美味いメシ作ってくれるんだし、掃除だって完璧だし。」「つまりぼくは住み込みのハウスキーパーってことですか。」「あ、いや、そういうことじゃなくて、その、」「ふふふ、冗談ですよ。助けてもらった上に、追い出さずにいてくれるんだから家事ぐ...
巻かなかった世界 31
- 2017/08/03
- 23:00
「テミンの気持ちには気づいてたんだ。だから意識して他の子たちと同じように接してきたつもりだった。最初はマンネだから年上のおれに甘えてるのかと思ったけど、何ていうか、媚びる感じがだんだん濃くなってきたから。個人レッスンを頼まれたときは、正直悩んだよ。けど、あれほどの才能がある子を自分の手で育ててみたいっていう欲求に勝てなかったんだ。」このユノはもう、指導者になってしまっているのか。「けど、それは間違...
指先の記憶
- 2017/08/04
- 23:00
目の前でアイツがおれに背を向けて、1歩前に足を踏み出したのを、引き留めようと伸ばした手は、指先がアイツの二の腕の後ろをかすめただけで掴むことができない。焦って「行くな!行かないでくれ!!」って叫んだ瞬間、目が覚めた。気温はまだそう高くないというのに汗ダクで、なんとなく睡眠が足りてない気がするだるい体でシャワーの下に潜り込む。なんで今頃になってまた、こんな夢見たのかなぁ。もう何年もアイツの夢なんか見...
指先の記憶 2
- 2017/08/05
- 23:00
いつもと同じように出かける準備をして、玄関で靴を履き、背広のポケットに手を入れてハッとした。 しまった、今日は車じゃないんだ! 昨日、急な接待で飲んでしまったからそのままタクシーで帰ってきたんだった。 腕時計に目をやれば、ヤバい、バスじゃ遅刻する。 慌てて飛び出して、地下鉄の駅に走った。 就職したころは毎日乗ってたけど、営業に異動になってマイカー通勤するようになってからは数えるほどしか乗って...
指先の記憶 3
- 2017/08/06
- 23:00
おれは、大学3年に進級するとき休学して兵役に就き、転役後復学した。 なぜなら、就職試験を受けるにも兵役を済ませていることが条件になるからだ。 久しぶりに朝の地下鉄に乗ったおれは、窮屈な車内でいまみたいにほとんどバンザイするような格好で揺れに身を任せていた。 周りには制服姿の高校生らしき集団がひしめいていて、たぶん5才くらいしか違わないんだろうけど、自分がものすごくオッサンになった気がした。 目...
指先の記憶 4
- 2017/08/07
- 23:00
「お、おい!大丈夫か?!」 うずくまってしまったそいつの隣りに片膝をつき、顔を覗き込むと、額に汗を滲ませて青ざめ、ギュッと目を閉じ、微かに震えている。 「す、みません、ちょっと、めまいが。」 ムリに立ち上がらせるのはよくないと思って辺りを見回したら、特にジャマにはなってないみたいだったからそのまま背中に手を当ててじっとしていた。 ほんの数分だったろうか、次の電車の到着を告げる構内アナウンスにそ...
指先の記憶 5
- 2017/08/08
- 23:00
ビジネス街の真ん中にある駅で停まった電車のドアが開くと、ドクドクと動脈を流れる血液のように大量の人間が吐き出される。 その流れに沿って足を進め、押されるように階段を上り、地上に出てホーッと長い息を吐いた。 「おっはよ!」 能天気な声とともに肩をポンとはたかれて、顔だけで振り向くと想像どおりの人物がニヤニヤとおれを見上げていた。 「おはよう、ドンへ。昨夜はお疲れ。」 「おう!班長もな。」 一応...
巻かなかった世界 32
- 2017/08/09
- 23:00
こっちのユノも、ぼくの世界のユノと同じで、訊かなくてもいろんな話をしてくれる。5人時代の終わりは、ぼくの世界とあまり変わらない原因で訪れたらしい。ただひとつ違ったのは、ぼくがいるはずだった場所にいたアン・ソンジュンという人がぼくと違って上昇志向の強い人だったってことだ。3人とその親たちが事務所ともめ始めたころ、水面下で独立を模索していたらしく、3人側と事務所の決裂が決定的になったタイミングで、すり...