ご挨拶
- 2018/05/01
- 00:00
5月です!世の中はゴールデンウィークとかいうものらしいですね(笑)我が家では毎日が休日、いや、私にとっては毎日がお仕事なんですが、わざわざ世間さまがお休みで民族大移動中に出かけなくてもってことで、どこにも行きません。お休みを満喫してらっしゃるみなさま。お仕事だよ、っておっしゃるみなさま。それぞれ、お疲れ様です♡今週末はソウルコンですね!もちろん行きませんが(笑)きっとステキなおふたりが拝めるんだろ...
指先の記憶 101
- 2018/05/01
- 23:00
それからキュヒョンは、ソウル以外の病院にも手を広げ、おれも休日にはあちこちの病院に見舞客のフリをして探しに行った。けれど、チャンミンの姿も、お母さんが入院している病院も、見つけることができないまま、時間だけが過ぎていった。そんな中で、ときどきキュヒョンと会ってチャンミンの話を聞くのが楽しみになっていた。「チャンミンのお母さんって、チャンミンに代表のこと褒めちぎってたみたいなんですよ。」「あの代表を...
指先の記憶 102
- 2018/05/02
- 23:00
それから3日後の夜だった。帰宅してネクタイを緩め、買ってきたコンビニ弁当を食べようとローテーブルの前に座ったところに、携帯が震え出した。着信表示は『公衆電話』。普段なら無視するところだけど、そのときはなぜか出なきゃいけない気がして、携帯を手に取った。「もしもし。」『あ、ユノ?』聞こえてきたのは、待ち望んでいた声で・・・「チャンミン?チャンミンなのか?!」『うん。よかった、間違ってなかった。』「おま...
指先の記憶 103
- 2018/05/03
- 23:00
涙が枯れて、声も枯れたころ、手の中の携帯が再び振動を始める。頭の片隅では違うってわかってるのに、画面もろくに見ないで、呼びかけていた。「チャンミン!」『あ、』戸惑い、絶句した声には聞き覚えがある。『連絡、きたんですね。』「ああ。」『いま、空港に勤めてる友だちから、チャンミンがアメリカに向けて出国したって連絡が来ました。』「うん。」『行先は言ってました?』「ロスの病院とだけ。あいつも知らされてないみ...
指先の記憶 104
- 2018/05/04
- 23:00
翌朝、鏡に映る自分の顔を見て大きなため息が出た。両目は充血して真っ赤だし、顔はむくんでパンパンだ。声もまだ少し枯れていた。「おいユノヤ、おまえ、その顔どうした?」早速トゥギヒョンをびっくりさせて、心配させてしまった。「あー、ちょっとね。えっと、今夜ちょっといいかな。」「ん?」それから、ヒチョリヒョン・ドンへ・ウニョクとも似たような会話を交わし、昼休みにキュヒョンにも声をかけた。おれがチャンミンを探...
指先の記憶 105
- 2018/05/05
- 23:00
「え?」「ウソだろ?」「なんでだよ!」「まさか?!」4人が口々にそれぞれの言葉を発する。「それってつまり、あいつがまた行方不明になったってことなのか?」ウニョクがみんなの思いを代弁するみたいに問いかけた。「うん。」「けど、あれだろ?ロサンゼルスにいることはわかってるんだよな?」「たぶん。」「お母さんが元気になれば、戻ってくるんだろ?」「それは、わからない。」畳みかけるように訊いてくるドンへは、泣き...
指先の記憶 106
- 2018/05/06
- 23:00
それからの数か月、ドンへたちの心配をよそに、おれは通常通り、いやいつも以上に仕事に精を出した。実際、チェ・シウォンの会社との取引がなくなって新規開拓しなきゃならないのに、新入社員の補充もなく、いままでの人数で業務を回すにはおれとヒチョリヒョンが動くしかなかったこともある。けど、あの夜、チャンミンをあきらめないで待ち続けると心が決まったから、がんばることができたんだ。みんなからはおれが『開き直った』...
指先の記憶 107
- 2018/05/07
- 23:00
もしかしたら会長がチャンミンを呼び戻すんじゃないかと思った。いや、きっとそうなると確信していたかもしれない。跡継ぎに固執する会長のことだ。ジェウォン代表の子どもが望めないとはっきりしたら、もうひとりの息子であるチャンミンを呼び戻すに違いない。そう思って待っていたのに、チャンミン帰国の情報はどこからも入ってこなかった。『本宅のアジュンマにも探りを入れてみたんですけどねえ。』キュヒョンはチャンミンが結...
指先の記憶 108
- 2018/05/08
- 23:00
それからしばらく、眠れないし食べ物がのどを通らなくて、自分でもやつれて行ってるのがわかった。寂しいだけなら友だちを誘って遊びまくるとかできるけど、恋しい気持ちはどうにもならない。適当な相手を見つけて発散するのも、おれの性に合わないし。「おーい、どうしたぁ?」ヒチョリヒョンがのんびりと、おれにプレッシャーをかけないように訊いてくれる。「うん、ちょっとね。」「戻ってこねえなあ。」「うん。」のんびりと普...
指先の記憶 109
- 2018/05/09
- 23:00
「急に呼びつけて悪かったね。」「いえ。」ジェウォン代表は親とはまったく違って、物腰柔らかで紳士的だった。呼び出されたのはソウルで一番と評判の高い病院の従業員出入口だ。そこに、誰にも内緒で顔を見られないように来いと言われて、真っ先にチャンミンが病気なのかと背筋がゾクリとしたけど、もし入院してるとしても隠れて会いに行く必要はないかと思い直す。それでも、もしかしたらという思いはずっと心の奥に居座っていて...