ご挨拶
- 2019/07/01
- 00:00
7月になりました!なんともう、今年も半年が過ぎてしまいましたよ( ̄▽ ̄;)そろそろいまのお話『巻かなかった世界』も巻いていかないとね。そして7月といえば、以前からこちらにお越しくださってる常連さまはご存じの方も多いと思いますが、我が社の決算期到来です!!!手書きの帳面と伝票という、時代遅れのアナログ作業をこれからの10日~15日くらいでやります。まあ、昼間にできるから夜のお話書く時間には影響ないんですけど...
巻かなかった世界 291
- 2019/07/01
- 23:00
先日とは違う駅で降りたら景色がまったく違っていた。携帯の地図アプリを起動して、歩くべき方向を見極める。どうやらスーパーとは反対側に来たらしい。荷物を置いて、冷蔵庫の中身を確かめてからスーパーに行くつもりだったからちょうどよかった。アプリの誘導に沿って歩いていくと、見慣れた道路の脇には知らないお店や学校がある。妹たちが、新しいお店ができたって聞くと探しに行くとか、用がなくてもぶらぶら歩くとか言ってた...
巻かなかった世界 292
- 2019/07/02
- 23:00
大きなベッドでひとり眠るのには、なかなか慣れない。やっとウトウトしかけた背中に、待ちわびた温もりがぴったり張り付いてきた。「ん、おか、えり、ユノ、」「ただいま、チャンミナ。」ああ、温かい。この心地よさが、もうすぐ日常になるんだ。あっという間に寝息を立て始めたユノさんといっしょに、ぼくも眠りの国に引きずり込まれた。翌朝、ぼくのほうが早く起きた。きっとユノさんは疲れてるんだろうから、起こさないようにそ...
巻かなかった世界 293
- 2019/07/03
- 23:00
ぼくにとってはかなりハードルの高い愛情表現だった。思わずしてしまったことだけど、すぐに自分の顔が茹っていくのがわかったくらいだ。だからユノさんが、突然水道のレバーを跳ね上げて水を止め、真顔でぼくを抱き上げたときには、このままベッドに逆戻り・・・って思ったんだけど。運ばれたのはソファーで、ぼくを下ろしたユノさんがリビングボードの鎧戸をパタンパタンって開け閉めし、見つけたらしい救急箱を持ってきたときに...
巻かなかった世界 294
- 2019/07/04
- 23:00
それからユノさんは、いつもぼくがやってることを、ひとりでしてくれた。ぼくと知り合うまではひとりでやってたんだから当たり前なんだけど、一通りのことはできるんだよな。ぼくがもし病気になっても、すぐに家族に助けてもらわなくても大丈夫そうだ。「さあ、食べようか。」ぼくもソファーから床に降りて座ったけど、なぜかぼくの前にはお箸もスプーンもない。忘れてるのかとユノさんの顔を見たら、ぼくのお皿の上のパンをちぎっ...
巻かなかった世界 295
- 2019/07/05
- 23:00
ユノさんの車で、理事さんが紹介してくれたマンションに到着すると、待っていてくれたのは理事さん本人だった。「理事さん?」「ああ、シム先生。お待ちしていましたよ。」玄関前の駐車場に停めた車から急いで降りて、駆け寄った理事さんは上機嫌だった。「お待たせしてしまって申し訳ありません。」「いえいえ、約束の時刻にはまだなっていませんよ。」「理事さん。こちらがぼくのパートナーで、」遅れて車から降りてきたユノさん...
巻かなかった世界 296
- 2019/07/06
- 23:00
あっ!?今夜か明日、総拍手数15万突破する?!__________________「あ、あの、ここにぼくたちが住めるんですか?」部屋を見せてもらったぼくたちは、戸惑って顔を見合わせ、理事さんに訊いた。建物全体の印象は確かに少し古い。だけど、どうやら最近外壁の塗り替えをしたみたいだし、廊下の壁にひび割れもない。エレベーターはちょっと古くて音が鳴ってたけど、メンテナンスは毎月やってるらしい。それに内装は...
巻かなかった世界 297
- 2019/07/07
- 23:00
昨日、日が変わる直前に、総拍手数15万を超えました!いつもいつもポチポチしてくださって、まことにありがとうございます♡15万のキリ番を踏んでくださった方、鍵コメで結構ですのでお知らせください。リクエストなどございましたら、精いっぱいお応えさせていただきます!__________________他に空いている部屋はないって言われたし、何より理事さんの厚意を無にするわけにはいかないから、ありがたく貸しても...
巻かなかった世界 298
- 2019/07/08
- 23:00
戸惑うぼくを引きずるようにして、たどり着いた部屋の中に入ったとたん、ユノさんはぼくに覆いかぶさってきた。「ユノッ!?」思わず叫んだぼくの口は、ぼくより小さいはずのユノさんの口に覆い尽くされる。「んっ、んんっ」抱きついてきているユノさんの体を、もがいて突き放そうとするけど、ぼくの力ではびくともしない。ふいに唇が離れて、ぼくは大きく息を吸った。「おまえがいけないんだって。」靴を脱ぎ、まだ靴のままのぼく...
巻かなかった世界 299
- 2019/07/09
- 23:00
R-18です!もろもろ大丈夫な方のみ、お読みください。__________________「ん、、あ、はあ」頭の中ではまだ納得していないのに、カラダはユノさんの動きに従順に反応する。イヤだと言ったのに、熱を持つカラダが恨めしい。『バカな女みたいに嫉妬なんかするなよ』そう言われて、気にしていないフリをしてきたのに。ぼくは男だから。それだけがぼくのいいところだから。なのに、ユノさんはぼくが嫉妬してかわいい...