ご挨拶
- 2020/10/01
- 00:00

10月になりました!!昨日の記事で、次は『シルクとコットン』で!なんて書きましたが、その前にご挨拶がありました←忘れてた( ̄▽ ̄;)『暑さ寒さも彼岸まで』とはよく言ったもので。最近は朝晩めっきり涼しくなりました。昼間はまだ少し暑さが残っていますが、さすがにもうクーラーはいりません。田舎なので、毎年クーラーなしで窓を開けっぱなしで生活していましたが、今年はお盆前から毎日ずっとクーラーのお世話になりました。...
シルクとコットン 249
- 2020/10/01
- 23:00

シルクとコットン 第三部 始まりま~す!__________________じいちゃんの百か日法要はおれたち家族だけで執り行った。おれとチャンミン、お義母さんと叔母さんだ。叔母さんは2日前から来てくれて、お義母さんと同じ部屋で寝泊まりしている。材料はスーパーの先輩が揃えてくれたらしい。お義母さんと叔母さんが作ってくれた料理と供え物を、おれとチャンミンで長机の上に並べていく。子どものころから何度もし...
シルクとコットン 250
- 2020/10/02
- 23:00

翌日、おれが店に行くついでに車の助手席に叔母さんを乗せて送っていった。「叔母さん、ありがとな。」「お礼を言われるようなことしてないけど?自分の親の法事なんだもの、手伝って当たり前よ。」「ああ、そっちじゃなくてさ。チャンミンに前に出るように言ってくれたこと。」「それだって当たり前じゃない、チャンミンはあんたのパートナーなんだから。」「うん。でもそう言ってもらえるのがありがたい。」「あんた、本当に大人...
シルクとコットン 251
- 2020/10/03
- 23:00

ウチの店の少し手前の叔母さんのマンションの駐車場に車を停めた。叔母さんは乗ってた車を売り払ったから、空いてる駐車場を貸してもらっている。店には、勝手口の反対側に普通車を縦列駐車すれば3台くらいは置けるけど、いまはリフォームしてくれてる工務店の車が入っている。奥にはトゥギヒョンの車があるし、これからもずっとそこに停めるだろうから。いま工務店の車が入っているところにはお客さんの車を入れてもらおう。いや...
シルクとコットン 252
- 2020/10/04
- 23:00

トゥギヒョンは人の手配を一手に引き受けてくれている。おれは同じ京畿道とはいえ田舎で高校までいて、兵役を終えてすぐにパリに行ったけど。トゥギヒョンはソウル出身で高校もデザイン科を出ているから、同級生や先輩後輩も多い。人づきあいの上手な人だから、ここを離れてからずいぶん経ってるけど、それでも連絡がつく人がたくさんいて助かった。もちろんおれたちの年代で仕事をしてない人を探すのは難しいけど、あちこちの繋が...
シルクとコットン 253
- 2020/10/05
- 23:00

内装工事をしてくれている職人さんたちが夕方5時で仕事を終えて引き上げていく。トゥギヒョンといっしょに後片付けをして火の始末を見て回り、戸締りをして店を出る。そのまま車を飛ばして家に着くのが7時半くらい。ちょうどチャンミンも7時までの午後診を終えて帰ってくる時間帯で。たまに歩いているのに出会うこともあるくらいのタイミングだ。「ただいま~」車を定位置に停めて玄関から上がり、大きな声を台所のほうにかけて...
シルクとコットン 254
- 2020/10/06
- 23:00

お義母さんの料理は、子どものころからずっと食べてたものだから舌に馴染んでいる。チャンミンの料理を美味いと思ったのは、きっと同じ味で育ったからなんだろうな。「壁紙の色、よかったよ。」「そう?それならよかった。」トゥギヒョンが褒めてくれた壁紙の色は、おれじゃなくてチャンミンが選んだものだ。最初は真っ白にするつもりだったんだけど、それだと中にいる人が落ち着かないよ、って教えてくれた。病院の壁は白だと勝手...
シルクとコットン 255
- 2020/10/07
- 23:00

いわゆる田舎の家庭料理が並んでいる食卓を家族で囲む夕食の席。特別なごちそうがあるわけじゃないけど、どれも美味しくて懐かしい。穏やかでささやかなしあわせもいっしょに味わっていた。さっきチャンミンの様子がおかしいことに気がつくまでは。お義母さんは何も感じていないんだろうか。それともわかってても何も言わないんだろうか。もしかしたら昼ご飯のときにもう、話してあるのかもしれないけど。もちろんおれの思い過ごし...
シルクとコットン 256
- 2020/10/08
- 23:00

部屋に入ると、チャンミンはわざとらしくため息をついてみせた。「いつもは人の気持ちとかに気づかないくせに、なんでこんなときだけわかるかな。」心配してるのにずいぶん失礼な物言いじゃないか。まあ、まったく外れてるとは言えないけど。「だってチャンミンのことだから。」「ぼくの気持ちにも気づかなかったくせに。」「それは悪かったよ、ってそんな子どものころのこと蒸し返さなくたって、」「子どもじゃない!」高校生は子...
シルクとコットン 257
- 2020/10/09
- 23:00

「来たんだよ。」「来た?ソン医院に?」「そう。今日のお昼前に。」まさか、まさか、あの外科医ってことは?!「ぼくの元同級生、中学のときの。」へ?同級生?同級生が来たからってなんでそんな、、、あ「たぶん先輩のお店でぼくのウワサ話してた中のひとりだと思う。」「思うって・・・だったら違うかもしれないだろ?」「でもね、ぼくの同級生でいまもこの町に住んでる人なんてほんの数人しかいないんだよ?」そうか、そうだよ...