ご挨拶
- 2021/03/01
- 00:00

3月になってしまいました!誕生日やあれやこれや、いろいろあった2月でしたがあっという間に終わってしまいました。いろいろあったから過ぎるのが早かったのかもしれませんが(;^ω^)毎夜11時にお届けしている『シルクとコットン』も400話になり、そろそろ〆にかからないと!しかしなかなか終わりが見えません(´;ω;`)ウゥゥまだ一波乱ありそうだし・・・でもマダムリー親子や仲間たちの力を借りて、きっとカン・セナをやっつけてく...
シルクとコットン 401
- 2021/03/01
- 23:00

チャンミンとお義母さんを乗せて、叔母さんのマンションまで来た。お義母さんもいっしょにと誘ったけど、叔母さんが待ってるからとマンションに入っていった。おれとチャンミンは、お義母さんが作ってくれた弁当を持って店の前から中を覗く。土日は、セレブではない常連さんが入れ替わり立ち代わり来てくれて。そのほとんどが、友だちや同僚や、自分の周りの人たちをご新規さんとして連れてきてくれる。ウチの商品は良質で値段に見...
シルクとコットン 402
- 2021/03/02
- 23:00

10人くらいいたお客さんと並んで写真を撮り、握手をして。カイに、交代で休憩するように囁いてから事務室に戻った。「お疲れ。」トゥギヒョンがソファーから笑顔で手を振ってくれて。ちょうどチャンミンが給湯室からお茶を持って出てきたところだった。「ユノ、お疲れさま。」「チャンミン、びっくりさせて悪かったな。」「ううん。ありがと、ユノ。」どうやらおれの意図は理解してくれたみたいだ。ウチのお客さんたちはおれがゲイ...
シルクとコットン 403
- 2021/03/03
- 23:00

職人さんが休み返上で仕上げてくれた生地を積んで、意気揚々と出勤して。店の前に車を停めてスタッフに手伝ってもらい荷物を運びこんだ。パターンはもう出来上がっていて、裁断が始まる。おれだけじゃなく、店の中全体に新作への期待が膨らんでいた。ところが・・・三階で裁断の様子を見守っていたおれのところに、ミノが息を切らせて階段を駆け上がってきて。「先生!大変です!!」「バタバタうるさい!気が散る!!」気難しいパ...
シルクとコットン 404
- 2021/03/04
- 23:00

「先生、あの、」ナヨンさんが言いたいことも口ごもる理由もわかっている。わかっているけど、、「すみません、詳しいことは話せません。ただ、」やっぱり言っておかなきゃ気が済まない。「チャンミンが誘惑したというのはウソです。」事実無根だと言いきれたらどんなにいいだろう。けど、あの医者と関係があったのは事実なわけで。だけどチャンミンが誘惑したなんてとんでもない。チャンミンはあいつに利用されてただけだ。「そう...
シルクとコットン 405
- 2021/03/05
- 23:00

いつもは走らない時間帯だからか、ソウルの街を走る車が多いように感じる。こんなに多くの車がいったい何の用があって走ってるんだよ!心の中で悪態をついて思い切り舌打ちをして。無理やり車線変更をして少しでも前に進みたい衝動をなんとか抑えて深呼吸。ここで事故でも起こそうもんならシャレにもならない。いつもひっかかる赤信号さえ、青に変わるのが遅く感じる。一刻も早くチャンミンのところに駆けつけたいと心が逸るばかり...
シルクとコットン 406
- 2021/03/06
- 23:00

チャンミンが出てくるのを待ちきれずドアを開けて外に出ると、正午を知らせる音楽が流れてきた。診療時間は終わったから、もう迎えに行ってもいいよな。自分にそう言い訳して、診療所の引き戸を開けようと手を出すのと、まるで自動ドアのように開くのが同時で。「「うわっ!?」」同時に声を上げたのはおれとチャンミン。「ユノ?」「チャンミンか、驚かせるなよ。」「それはこっちのセリフだって。何?どうしたの?どこか具合が悪...
シルクとコットン 407
- 2021/03/07
- 23:00

家まではあっという間。いつものところに車を停めて、玄関から家に入る。車の音に気付いたのかお義母さんが食堂から玄関に向かってきていて。「ただいま。ごめん、ちょっとチャンミンに用があるから、済ませてから食べに行くよ。」「え、ええ、わかりました。」心配そうに顔を曇らせたお義母さんに心の中で手を合わせて、チャンミンと自室に向かった。「いったい何があったの?」普段はあまり思わないのに、心配そうに曇った顔がお...
シルクとコットン 408
- 2021/03/08
- 23:00

「帰ってきてくれてありがとう。ぼくひとりでこの記事読んでたら、正気でいられなかったかもしれない。」おれがあのとき取り乱したことは黙っておこう。「そうだ、さっきミンソプから電話があって、みんなついてるからだいじょぶだって言っといてくれってさ。」「さすがユノ、友だちが多いっていいね。」「何言ってる。今回はおれじゃなくておまえのために集まってくれたんだから、おまえの友だちだ。だろ?」突然顔を上げたチャン...
シルクとコットン 409
- 2021/03/09
- 23:00

お義母さんは、、泣いた。エプロンの裾を持ち上げて顔を覆い、しくしくと本当に悲しそうに。チャンミンは困った顔をおれに向けてから、立って行ってお義母さんの肩を抱く。「そんな目に遭ってたなんて、、私の息子が、、かわいいチャンミンが、、」泣きながらとぎれとぎれにこぼす気持ちはよくわかる。おれがこの話を聞いたときも同じ気持ちだったから。でもきっと、幼なじみだったおれより何倍も辛い思いをしているだろう。「大丈...