悪魔と死神 36
- 2022/05/01
- 23:00

突然、強烈な『死』の匂いを感じて修道女を見ると。いつの間に立ち上がったのか、医療用具が入れてあるキャビネットの前にいて。その手にははさみが握られていた。「あ、」反射的に止めなきゃと思ってしまったけど、死神であるおれが人の生き死にに関与できるはずもなく。「突発的だな。」やはり『死』の匂いをかぎ取ったのか、デスサイズを携えたヒチョルがとなりに現れてつぶやいた。「それだけショックが大きかったんだな。」「...
悪魔と死神 38
- 2022/05/03
- 23:00

おれはヒチョルとチャンミンのジャマにならないように、少し後ろに下がった。修道女はもう息がおかしくなっていて、目もうつろになってきている。血液が気管に入ったのか、息を吐くとボコボコと音が鳴り、吸おうとしてもゼーゼー言うばかりでうまく吸えなくなっていた。「そろそろだな。」「マジで美味しいのかな。」ヒチョルは指を鳴らし、チャンミンは舌なめずりしているのが後ろからでも見えるようだ。「先に、始めようか。」ヒ...
悪魔と死神 39
- 2022/05/04
- 23:00

悪魔と闘ったことがないから実際見るのは初めてだけど。悪魔の武器はそれぞれ自分に合ったものを使うらしい。チャンミンが持っているのは身長よりまだ少し長いくらいの棒で。両手を使って自分の体の前でくるりと回転させてから、小脇に抱えるように構えた。ヒチョルは両手で持ったデスサイズを最上段に構え、スッと間合いに入るとザっと振りかざす。それをチャンミンの棒が下から跳ね上げ、ガンっと鈍い音が鳴る。ヒチョルの一撃を...
悪魔と死神 40
- 2022/05/05
- 23:00

「ユノッ?!」おれのすぐ後ろでヒチョルの声がして、「ユ、、ノ、、」目の前にはチャンミンの顔があった。自分でも何が起こったのかわかるまでに少し時間が必要で。ああ、そうか。おれはチャンミンといっしょにヒチョルのデスサイズで切られたんだ・・・「ユノおまえ、なんてことを、、」「ごめん、ヒチョル。体が、勝手に、、動いちまった、、、」「ユ、、ノ、、ごめん、ね、、」チャンミンの体が黒い煙の塊になったと思ったら、...
悪魔と死神 あとがき
- 2022/05/06
- 23:00

はい、例によって突然『完』となりました(;^_^A アセアセ・・・今回はずいぶん短かったですね、すみません。突然降って湧いたお話だったのですが、このラストシーンが書きたかっただけなんですwww不老不死の薬の作り方を教えた悪魔の話とか、いまもなお生きているその薬を飲んだ人たちの話とか。書き始めたらめちゃくちゃ長くなりそうなので・・・まあ、次のお話へのつなぎ部分だと思っていただけたらうれしいです←おい次のお話...
肌色の宝物
- 2022/05/07
- 23:00

「あっち~い。」「暑いって言うな、よけい暑くなる。」「けど暑いんだもん、仕方ないじゃん。」「仕方ないって、、ちょ、何だよその汗ぇ!マジで暑苦しいわ!」「え~、そんなこと言ったって汗かきなんだから仕方ないじゃん。」「仕方ない仕方ないっておまえ、」「あ、」「なんだよいったい!?」ぼくはたったいますれ違った人たちの中に、知ってる人がいたような気がして振り向いた。けれど、それがどの人だったのか後姿だけでは...
肌色の宝物 2
- 2022/05/08
- 23:00

ぼくはシム・チャンミン、ゲーム機関連の会社に勤める会社員だ。大学校に入るまでは両親と同じ教師になろうと思ってたんだけど、入学式で隣り合わせたチョ・ギュヒョンと友だちになったのが運の尽きで。共通の趣味がゲームとアニメというオタク体質だったのが災い(?)して、ふたりで最高のアニメゲームを作ろう!と盛り上がってしまった。それからぼくたちは入学した当初の専攻科目は進級・卒業の必要最低限に留め、ゲームソフト...
肌色の宝物 3
- 2022/05/09
- 23:00

「終わったか。」「ええ、なんとか。」「おお、お疲れ。仕上げは若いヤツらに任せて、しばらく休んでいいぞ。」ヒチョリヒョンは満足そうにハグしてくれて、背中をぽんぽんと叩いてくれた。「あざ~す。キュヒョンは?」「それが、メインキャラクターが気に入らないって一から練り直すんだと。たぶん今夜は徹夜だろうな。」「え~~、また?!」「ああ、またまたまたまた、だww」キュヒョンはこのところ、最後まで作ったキャラク...