ご挨拶
- 2022/09/01
- 00:00

9月になりました!!今年の夏も天候不順が続きました。いつもよりずいぶん早く梅雨が明け、一気に暑くなったと思ったら今度は戻り梅雨?気象予報士さんが『梅雨の前半・後半』という言葉を使ってらっしゃいましたが(;^_^A私がクーラーが苦手なこともあって、一昨年まではクーラーなしで過ごしていたのですが。昨年からは熱中症が怖くてずっとクーラーを使っています。昨年は夜はクーラーを消していたんですが、今年は夜もつけっぱ...
肌色の宝物 118
- 2022/09/01
- 23:00

考えていたって仕方ない。ぼくはいつも持ち歩いているデイバッグをソファーに置いて、先ずは衣類から荷造りすることにした。ベッドの足元の壁一面にある作り付けのクローゼット。確かにこれだけ収納があれば家具はいらなかっただろう。洋服ダンスの扉を開けると、中には仕事用のスーツとコート、それにワイシャツ。ワイシャツも週一回しか洗濯しないのかなあ。それだと襟や袖口の汚れが落ちにくいんだけど・・・なんてつい考えてし...
肌色の宝物 119
- 2022/09/02
- 23:00

「チャンミン、ありがと。」「ユ、ユノ、、」リビングの入り口に立っていたのは、ビジネスバッグとどこかのデパートの紙袋を両手に下げたユノさんで。「もう、、びっくりさせないでよ~」「え?びっくりした?だって、この部屋に入ってくるのっておれしかいないじゃん。」「それはそうだけど、いまは仕事中のはずなのに。」「午前中の仕事が終わったから、ちょっと早いけど昼休みにしようと思って弁当買ってきた。お茶もあるよ。」...
肌色の宝物 120
- 2022/09/03
- 23:00

残念ながらユノさんはまだ仕事中で、それ以上は望むことができない。ユノさんも名残惜しそうにぼくの体を離して、照れくさそうに笑った。ユノさんが買ってきてくれたお弁当は色とりどりの季節の野菜が入っていて、ヘルシーだけどとても美味しくて。デザートにと、ユノさんはプリン、ぼくにはコーヒーゼリーを買ってきてくれていた。「はあ、なんだか仕事行くのイヤになっちゃったな。」ユノさんがポツンとつぶやいて、床にごろんと...
肌色の宝物 121
- 2022/09/04
- 23:00

ユノさんの荷物もぼくと同じでそれほど多くないし、いますぐ引っ越すわけじゃないから全部詰めてしまうわけにもいかない。適当なところで荷造りはいったんやめて、お節介かとも思ったけど少し掃除をしておいた。夕方帰り支度をしていると携帯にユノさんからメッセージが送られて来た。『仕事終わった。すぐ帰るけど、食べたいものある?』食べたいもの・・・ぼくは迷わず、『チキンとビール!!』と返信を打った。実は帰りに買って...
肌色の宝物 122
- 2022/09/05
- 23:00

「ただいまチャンミン!」大きな音を立ててドアが開き、ユノさんが駆け込んできた。もう夏は終わり、秋の気配が色濃くなってきたというのに額に汗が浮かんでいる。「どうしたの、外はそんなに暑かった?」「いや、エレベーターがなかなか降りてこなかったから階段駆け上がってきた。」言われてみれば、息も少し上がっている。「え~、そんなに急ぐことなかったのに。」「だってさ、チャンミンが待ってると思ったら早く帰らなきゃっ...
肌色の宝物 123
- 2022/09/06
- 23:00

ユノさんがシャワーから出てきたらすぐに食べられるようにしておこうと、簡易キッチンの扉を開けて中を覗いたけど、お皿の類が見当たらない。ラーメン用の蓋付き鍋がひとつあったきり、他には何もなかった。料理しない男のひとり暮らしってこんなものなのかな。引き出しを開けてみたら、BBQなんかで使う紙皿とお箸とスプーンが5セットあって。友だちが来たりするのかな、なんてほんの少し胸の奥がチクンと痛んだ。そのときバスル...
肌色の宝物 124
- 2022/09/07
- 23:00

この家にはお皿だけじゃなくコップもなくて、代わりにあった紙コップと冷やしておいた缶ビールを持っていった。「あ、チャンミンは缶ビールをコップに移す人?」「え?みんなそうするんじゃないの?」「いや、ウチに友だちが来たときはみんな缶のまま飲んでたけど?焼酎も瓶のまま飲むし。」「友だちが来たの?」「うん、田舎の友だちがこっちに用があって来て、シニョンたちもいっしょにここで飲んだんだ。シニョンがまだ店を出し...
肌色の宝物 125
- 2022/09/08
- 23:00

中の袋を覗いてみると、普通の色のといかにも辛そうな真っ赤なのがあって、ポテトの袋もあった。「うわっ、めっちゃ辛そう。」ぼくは真っ赤なのをひとつ摘まんでお皿に取り、ユノさんは指を組み合わせてお祈りをしてから、辛くないのをひとつとポテトを数本取った。ビールとコーラで乾杯をして、「チャンミン、今日はありがと。」「いえいえ、ごちそうになります。」なんて頭を下げ合ってからぼくはビールを一気にあおり、ユノさん...
肌色の宝物 126
- 2022/09/09
- 23:00

少しお腹が落ち着いてきたころ、ぼくの携帯が鳴り出した。ウチのチームの後輩からで、彼にはウチが以前出したゲームのアップデートを任せているんだけど、、「あー、またか、、」「うん?どうかした?」「うん、後輩が締め切りぎりぎりになってSOS送ってきた。前にも同じことがあって、助けを求めることは悪くないけど、もう少し早くして、って言ったんだけどね。」「あ、じゃあおれのPC、ってわけにはいかないのか。」「残念なが...