シルクとコットン 353

形が決まれば作業は早い。



昼ごろ頼んだ生地は帰った家に届いていた。



もちろん途中でチャンミンを拾うのも忘れていない。



「あの病院の理事さんねぇ、ぼくには関係のない人たちだからな。」



「やっぱり知らないか。」



チャンミンに限らず、働いている人と理事との接点なんてそうそうあるわけじゃないだろう。



「それより仕事が忙しいならぼくのことは気にしなくていいからね。」



「そんなこと言うなよ、おれにはおまえが一番大事なのに。」



「だけど仕事はユノがいなきゃできないんだから。ぼくは大丈夫だよ。」



「おれがだいじょぶじゃない。気になって仕事が手につかない。」



おれは真面目に言ったんだけど、チャンミンは笑い出した。



「お店のスタッフさんたちが気の毒だ～」



めっちゃ笑ってるだけで、イヤがってるわけじゃなさそうだ。



実際、時間が限られると仕事の効率がいい気がする。



もちろんショーの前みたいに、量が多ければそうはいかないかもしれないけど。



それまでには問題を片づけておきたい。



夜にミンソプから電話がかかってきた。



『どうやらイ・シヨン代表のお祖父さんが、カン・セナのお祖父さんと知り合いだったみたいだ。病院作るときに出資してる。』



「じゃあマダムリーはそれを引き継いだわけか。」



『どんな知り合いだったのかまではわからないけど、一番大口の出資者みたいだぞ。』



「ってことは発言力も強い？」



『ああ、そういうことになるな。』



それを聞いて、おれはホッと胸を撫でおろした。










最後までお読みいただき、ありがとうございました。


私事ですが、今朝夫の父が亡くなりました。
明日お通夜、明後日お葬式ですが、その後もあれこれあるかもしれません。
朝から一生懸命お話書いてますが、もしかしたら更新が途切れるかもしれません。
いただくコメントのお返事もできないと思います。
ごめんなさい。


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