シルクとコットン 394

お客さんとの打ち合わせは終わっていたし、おしゃべりの相手を叔母さんに任せておれは事務室に戻るつもりだった。



でも、



「もしよかったら私の家においでになりません？すぐ近くなんですよ。狭いところですけど、ゆっくりお話伺いたいし。」



「あら、いいの？うれしいわ。みなさん、もうお買い物はお済になったかしら？」



あとのふたりは彼シャツを選んでくれていた。



「せっかくコーヒー持ってきてくれたのにごめんね。」



叔母さんはミノに謝って、おれのそばに寄ってきた。



「たぶん他の人たちも来るはずよ。あの人がいたらじゃまになるだろうから連れて行くわ。」



「あ、、ありがと叔母さん。」



「もしかしたら今週いっぱいくらいは忙しいかもしれないからお昼は運んであげるからね。」



「うん、助かるよ。」



さすが叔母さん、長い間セレブ相手に商売してきただけのことはある。



スホがそれぞれに、コットン素材のショッピングバッグに入れた商品を手渡してカードとレシートを返す。



「あら、このショッピングバッグいいわね。エコバッグに使えそう。」



「ええ、折りたためばバッグの隅に入りますから、スーパーやコンビニに行くときに便利ですよ。」



セレブがそんなところに買い物に行くとは思えないけど、三人とも喜んでくれている。



「あ、お名前を」



さっさと出て行こうとするから、トゥギヒョンが慌てて呼び止めた。



「ウチの芳名録を置いてあるから明日持ってくるわ。」



叔母さんがそう言って連れだって出て行ってから数分。



叔母さんが言ってたとおり次のお客さんが来て、そのあとも次々と夕方まで途切れることなく来てくれた。



オーダーメイドは最初のお客さんだけで、あとはカスタマイズがほとんどだったけど。



それも夕方になるとピタッと止まって・・・



あとはトゥギヒョンに任せて、おれは急いで家路についた。










最後までお読みいただき、ありがとうございました。


ランキングに参加しています。



にほんブログ村