天使のお仕事 11

おれたちはいつもふたりでいた。



仕事のときは隣り合わせで、移動するときは手を繋いで。



周りの先輩天使さんたちからは、



「ふたりはニコイチの魂だったんじゃないか？」



とからかわれた。



『ニコイチ』



つまり、最初からふたつがくっついている魂のことで、別々の人型に入れるんだけど、そのふたりは結ばれる運命にあるらしい。



人間たちの間では『運命の赤い糸』だとか『ベターハーフ』だとか言われてるらしいけど。



せっかく運命の相手だとしても、なぜか一生会えないことも多いらしい。



だけど、先輩天使さんたちだって記憶がないはずなのに、なんだってそんなに人間のことに詳しいんだろう？



そう思って訊いてみたら、死神さんからの情報らしい。



確かに死神さんはずっと人間界にいるんだから、人間のことをよく知っているんだろう。



今度魂を受け取るときに何か訊いてみようかと思ったけど、いまのところ何も浮かんでいない。



チャンミンのとなりに座って、ふたり黙々と仕事をしているときに。



頭の中に、誰かとふたりで魂を受け取りに行くようにという指令が聞こえた。



おれは迷わずチャンミンといっしょに、あの門のところへ向かう。



「あ、ヒチョルさん。」



門の向こう側に来たのは、前に会ったことのあるヒチョルさんと、この間会ったジョンスさんだった。



「よう、ユノか。」



「うん。えっと、ジョンスさんもお疲れさま。」



「ありがとう。ユノさんと、」



「チャンミンです。よろしくお願いします。」



チャンミンがペコっと頭を下げて、向こうのふたりも軽く頭を下げてくれた。










最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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