天使のお仕事 15

「ねえユノ、死神さんたちってみんなあんなに優しいの？」



「あー、どうかな。まだそんなに魂のお迎えに行ったことがないからわかんない。ヒチョルさんは前に会ったときも気さくで話しやすかったけど、全然しゃべらないひともいたよ。」



「そうなんだ。だけど、死神さんって真っ黒だからちょっと怖い感じがしたけど、そうじゃないんだってわかってよかったよ。」



「チャンミンは初めて会った死神さんがジョンスさんやヒチョルさんでよかったね。おれの初めてのお迎えはしゃべらないひとで、黙って手を差し出されて、受け取ったらもう消えてたよ。」



「え～、そうなんだ。だったらぼくはしあわせだね。」



「もちろんいろんなひとがいるんだろうけど、先輩天使さんたちも死神さんから話を聞いてるみたいだから、優しいひとのほうが多いんじゃないか？」



「そうかもね。それに、しゃべらないからって優しくないわけじゃないかもしれないし。」



「そうか、そうだよな。チャンミンすごいな、そんなふうに考えたらしあわせだよな。」



チャンミンは照れくさそうに笑っていたけど。



おれは正直、あの死神さんは顔もちょっと怖そうだったし、もう会いたくないなと思ってたんだ。



だけど確かにチャンミンが言うとおり、しゃべらないから怖いひとって決まってるわけじゃない。



見た目や受ける感じで決めつけるのはよくないかもしれない。



「なんかさ、チャンミンといるとしあわせが増えていく気がする。」



「それはぼくのほうだよ。もちろんここが天界ってこともあるんだろうけど、イヤなことがまったくないわけじゃない。けど、ユノといるとそれを感じなくさせてくれるんだ。」



チャンミンがおれと同じように感じてくれていることがうれしくてしあわせだった。



「ホントにおれたち、ニコイチだったのかもしれないな。」



「そうかもね。そうだとしても、天界に来て、また会えたなんて本当にしあわせだね。」



「そうだな、ほんとにしあわせだ。」



おれたちはそんな話をしながら仕事場に戻っていった。










最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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