天使のお仕事 16

天界というところはとても穏やかなところだ。



愛が満ちていて優しさがあふれている。



始めのころにちょっとイヤなことがあったチャンミンもすっかり慣れて、仕事中に少しおしゃべりができるようになった。



魂の扱いが上手になったおれたちは、次の仕事場に移ることになって。



いままでは人間の人型に魂を入れる作業だったけど、今度は動物だ。



動物の魂は人間のものに比べて少し小さいから、つまむのが難しく。



おれはチャンミンよりも時間がかかったけど、なんとかつまめるようになった。



人型、いや動物型？、えっと、、器も人間よりは小さいから、落とさないように気を付けて。



種族によって器も魂も違うから、間違えないようにグループに分かれていた。



「あれ？ねえユノ、この魂、ちょっと大きくない？」



チャンミンが指でつまんでいたのを、反対の手のひらに乗せて、おれの目の前に持ってくる。



「あ、ホントだ。違う種族のが紛れ込んでたのかな。」



「あー、それは元人間の魂だよ。」



おれたちの向かい側で作業している先輩天使さんがそう教えてくれた。



「「え？」」



「重い罪を犯した魂は、動物に入れるんだ。」



「人間の魂を動物に？」



「ああ。記憶の審理で救いようがないと判断されたんだよ。そういう魂はもう、人間には戻れないんだ。」



おれは背筋が寒くなったような気がして、無意識にチャンミンの手を握っていた。



チャンミンが微かに身震いしたように感じた。










最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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