天使のお仕事 21
- 2023/01/26
- 23:00

「ごめんチャンミン、おれ、」
「ううん、ぼくだって腹が立ったよ。だけどあの人とケンカしたら、話が聞けなくなると思って。」
「うん、そうだな。それにあの人に怒ってる場合じゃなさそうだし。」
「うん。」
おれたちは池のほとりの、もはや定位置になりつつある場所に座っている。
周りのひとたちは同じ顔触れ、ってわけではないけど、それぞれが思い思いにくつろいでいる中で。
おれとチャンミンだけが難しい顔をして、くっついて座っていた。
「ねえ、ユノは魔界ってどんなところなのか知ってるの?」
「いや、具体的にどんなところかは知らないな。ただ『魔界に落とされる』って言葉を聞いて、すごく恐ろしいところなんだろうなって思っただけ。」
「なんだ、ユノもそうだったんだ。」
「ってことはチャンミンも?」
「うん、ぼくもすごく怖いところなんだろうなって思って身震いがした。あのひとの言い方も怖そうだったし。」
「あー、それもあるな。ってことは、あのひとは魔界のことを知ってるのかな。」
「どうだろう。先輩だから知っててもおかしくはないけど・・・ユノは、全然聞いたことがないの?」
「聞いたことはあるよ。だけど、魔界には魔王様と悪魔たちがいるってことくらいしかわからないな。」
「その『悪魔』ってひとたちは何をしているの?」
「さあ、教えてくれたひとも知らないみたいだった。昔は人間界に出て魂を食べてたらしいけど、もうずいぶん前にそういうことはやめたって聞いた。」
「魂を食べる?!」
「うん。悪魔が人間の望みをかなえてやって、その代わりに魂をもらうっていう契約を交わすんだって。それでその人が死ぬときに魂を食べるんだって。」
「契約するんだ。」
「そう。人間が黒魔術とかいう儀式をして悪魔を呼び出して契約するらしいんだけど、中には人間をそそのかして契約させる悪魔もいたらしい。」
「悪魔って魂を食べないと死んじゃうのかな。」
「いや、そうじゃなくて、ただ食べたいから食べるんだって。人によって味が違うからっていう話もあるって聞いた。」
チャンミンが目を真ん丸にしたびっくり顔になった。
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