天使のお仕事 32
- 2023/02/06
- 23:00

「あっ」
チャンミンが声を上げかけて、慌てて口を手で押さえた。
「おわかりになりましたか。」
「色が、、」
その声で、おれの違和感の正体がはっきりした。
「真っ白じゃありませんね。」
おれたち天使は魂が具現化されたもの。
顔はそれぞれ違うけど、体部分はみんな同じ真っ白の姿をしている。
だけど、そこで作業しているひとたちは真っ白じゃなく、ほんの少し色がついていた。
「あれってまさか、、汚れですか?」
「そうです。」
案内のひとは、とても辛そうにうなずいた。
「どうしてこんなことに、、」
おれが思わずつぶやくと、案内のひとが目で合図して動いたから、おれたちもついて行った。
周りには誰もいない真っ白な空間に、おれたち三人だけがたたずんでいる。
「この話はあなたたちだけの胸の内に留めておいてください。」
おれとチャンミンは目を見交わしてから、そのひとにうなずいてみせた。
「私たち天使は魂そのものです。天使になる条件はいろいろあるんですが、中でも魂に傷や汚れがないことが重要なんです。」
あー、なるほど。
「ですが中には、厳しい審査でも見つけられない傷の元、みたいなものがあったり、内部に汚れの元があったりする場合があるんです。」
『元』っていうのは、傷や汚れになる前の状態ってことだろうか。
「そういうひとが汚れに接しているうちに、自分自身が汚れてしまうんですよ。」
先輩天使さんが教えてくれた話とは少し違うけど、この話のほうが納得できた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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